回想法について

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レミニセンス・セラピー(回想法)とは

私たちは、これまでの人生の中でたくさんのことを経験し、記憶しています。

認知症になると、最近の出来事や新しく覚えたことを思い出すことが難しくなる一方で、若い頃の思い出や、長い年月の中で身につけてきた記憶は、比較的保たれやすいことが知られています。

そこで、昔の写真や映像を見たり、懐かしい音楽を聴いたり、かつて使っていた生活用品に触れたりしながら、その頃の出来事や思い出についてお話しします。

「昔はこんなことをしていたね」
「この頃はこんな暮らしをしていたね」

そんなふうに思い出を語る時間は、過去の自分と今の自分とのつながりを感じるきっかけになります。

回想法は、もの忘れをなくすことを目的とするのではなく、その人がこれまで歩んできた人生や、その人らしさを大切にしながら、心の安定やいきいきとした生活につなげていく心理的な援助の方法です。

織音_回想法のイメージ_二世代_AI生成
思い出を一緒にたどるひととき ― 回想法のイメージ|AI生成によるイメージ画像

野村豊子氏と回想法

野村豊子氏は、回想とはどのような営みなのかを、次のように表現しています。

「人生は過去の体験や出来事が、縦糸や横糸となって織り成される1枚の織物のようなものである。 無数の織り目には、楽しさと優しさと同時に、辛さや悲しみも込められており、それには1枚として同じものは無い。

人は何かをきっかけとして、この1枚の織物に織り込まれている過去の出来事、出会った人々、懐かしい場所や景色、聞き覚えのある声や歌、昔に味わった食べ物などを当時の様々な思いとともに回想する。 特に高齢者には、それまでの人生を振り返り、様々な過去の記憶や思い出に親しむ傾向が認められる。」

(出典 野村豊子(2010)回想法とライフレヴュー:その理論と技法、中央法規出版、p.2)

ライフレビュー(人生回顧)とは

回想法の中でも、これまでの人生をより体系的に振り返っていく方法があります。それがライフレビュー(人生回顧)です。

セラピストと一緒に、子どもの頃、学校生活、仕事、家族との出来事など、人生のさまざまな時期を振り返りながら、

「自分はどんな人生を歩んできたのだろう」
「自分にとって、あの出来事にはどんな意味があったのだろう」

と、自分自身の人生を見つめ直していきます。

楽しかった思い出だけではありません。つらかった経験や、心に残っている出来事についても、無理のない範囲で振り返ります。

そうすることで、これまでの人生を改めて受け止めたり、過去の出来事との折り合いをつけたり、心に残っている葛藤を整理したりすることにつながります。

ライフレビューには、人生を振り返るための体系的な方法が確立されています。

(参考:Haight, B. K., & Haight, B. S.(2016).ライフレヴュー入門:治療的な聴き手になるために(野村豊子(監訳),野村彩・青井夕貴・長坂剛夫(共訳)).ミネルヴァ書房.原著2007年刊)

長坂剛夫のコラージュ_どう思うか_選択するのはあなた自身
『答えはひとつ?――選ぶのはあなた自身』|長坂剛夫|2006年頃|色画用紙・エンボス加工色画用紙・雑誌の切り抜き|10.1 × 9 cm
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